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山下 恵史朗*; 小松 一生*; Klotz, S.*; Fabelo, O.*; Fernndez-Daz, M. T.*; 阿部 淳*; 町田 真一*; 服部 高典; 入舩 徹男*; 新名 亨*; et al.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 119(40), p.e2208717119_1 - e2208717119_6, 2022/10
被引用回数:2 パーセンタイル:22.35(Multidisciplinary Sciences)氷の多形体は、圧力や温度により驚くほど多様な構造を示す。水素結合の乱れは、その構造多様性の重要な要因であるだけでなく、その物性をも支配している。しかし、観測可能な逆格子空間が限られていることや、高圧下で測定されたデータの不確かさにより、高圧下において氷多形体の乱れた構造を明らかにすることは困難であった。今回、単結晶および粉末中性子回折の両方を用いて、2.2GPa, 298Kにおいて主要な高圧氷である氷VIIの乱れた構造を初めて明らかにした。最大エントロピー法を用いることにより3次元的な原子分布を導くことに成功し、水素がこれまで言われていた離散的なサイトではなく、リング状に分布をしていることを発見した。また、274Kでの全散乱実験により、氷VIIの水素秩序相である氷VIIIとは、同じ分子構造を持つにもかかわらず、その分子間構造が異なることを明らかにした。今回の単結晶と粉末回折の相補的な構造解析によって、氷VIIのユニークな無秩序構造が明確に示された。今回の発見は、圧力によって大きく変化するプロトンダイナミクスと関連しており、圧力下における氷VIIの異常な物性の構造的な起源を理解することに役立つと考えられる。
久米 悦雄; 北村 竜明*; 高瀬 和之; 小瀬 裕男*
可視化情報学会誌, 25(Suppl.2), p.369 - 370, 2005/10
革新的水冷却炉の燃料集合体では、燃料棒まわりを流れる冷却材の領域が半径方向及び流れ方向に一定間隔を保つように複数のスペーサが設置されている。従来の研究から、スペーサ等の障害物の後流には乱れが発生することがわかっている。また、気液二相液膜流では、気相と液相の相対速度に依存して気液界面に発生するせん断力によって液膜中に大きな乱れが形成され、その結果、界面形状が不安定になることが理論的,実験的に明らかになっている。このような突起による乱れと界面不安定現象を原子炉熱設計に反映するためには、加熱液膜流挙動を正確に把握する必要がある。そこで、本研究では、革新的水冷却炉で想定されるスペーサ付き狭隘流路を簡略モデル化した体系で3次元解析を行い、加熱面上に形成される流体温度や流速などの予測結果から、加熱液膜流に及ぼす突起の効果や界面せん断力の影響を定量的に明らかにした。
武田 全康; 遠藤 康夫*; 上條 敦*; Langridge, S.*; Dalgliesh, R.*; Her, J. H.*; Lee, K. B.*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28, p.23 - 26, 2003/11
この会議は、ナノ材料開発、特に薄膜ナノ構造,埋もれた界面の作製・制御において現在及び近未来に取り組むべき課題を整理し、X線・中性子を用いた先端解析技術によっていかに解決すべきであるかを明らかにすることを目的としている。発表者は、これまで偏極中性子と放射光を使って巨大磁気抵抗効果を起こす磁性人工格子の界面における原子配置の乱れとそれに誘起される磁気界面の乱れの相関に関する研究を行ってきた。これらの人工格子では、磁気界面の乱れが巨大磁気抵抗効果の発現に重要な役割を果たしていると言われているが、磁気界面の乱れを定量的に評価し巨大磁気抵抗効果と結びつけた研究は行われたことがない。この発表では、熱処理によって界面の乱れの度合いを人為的に変えたFe/Cr人工格子の磁気抵抗効果と原子配置の乱れ、そしてそれに誘起された界面における磁気的な乱れの相関を中性子とX線を用いた非鏡面反射率の測定結果から議論する。
秋野 詔夫; 久保 真治; 高瀬 和之; 日野 竜太郎; Choi, K.*
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
乱流摩擦抵抗の低減は、省エネルギー技術として重要な課題である。リブレットなどの受動的な低減技術の効果は最大で8%程度である。Thom効果や振動面では50%近い低減効果が得られているが、このような能動的な方法には拡散消耗や実機に組み込むうえでの課題がある。そこで、われわれはより大きな10%を越える低減効果を生み出す受動的乱流摩擦低減面を見いだすことを目的として、試行錯誤的探索実験を行った。本研究では、矩形断面流路に被測定表面を取り付け、水を作動流体とし、流路に沿う圧力降下を測定して乱流摩擦抵抗を評価した。平滑表面で装置及び測定手法を確認し、リブレット面で従来方法の追試を行った。新しい表面として、改良縦リブ付きd型粗面、アザラシ毛皮面、及び、ジクザクリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を有することを示した。特に、ジクザクリブレットでは10%を上回る低減効果を見いだした。また、低減効果の発現と流路中心部の乱れ強さの間に相関性があることを見いだした。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
First US-Japan Symp. on Advances in NDT, 0, p.98 - 103, 1996/00
傷の方向性によらず探傷可能な渦電流探傷プローブの開発を目的として、欠陥によって発生する磁束の乱れ成分のみを効果的に検出する方法を提案した。本方法は、励磁コイルによって作られる磁界の空間分布が対称になり、その対称性が欠陥によって乱されることに着目し、乱れ成分のみを検出する手法である。プローブは、励磁磁界を発生させる平面コイルと、欠陥による磁束の乱れ成分を検出する差動型コイルで構成される。平面コイルの形状を磁場分布の測定を基に平行四辺形平面コイルとした探傷プローブを試作し、平板上の模擬欠陥について探傷試験を行い本方法の有用性について示した。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
MAG-96-73, 0, p.73 - 82, 1996/00
蒸気発生器伝熱細管の探傷検査に広く使われている細管内挿のボビンコイル型プローブは、円周方向の傷割れに対して検出感度が悪いという欠点があった。そこで、傷の方向性によらず感度がよく探傷可能なプローブの開発を目的として、探傷プローブの形状を励起コイルによる磁場分布を基に検討し、平行四辺形平面コイルを用いる方法を提案した。原理は、平面コイルを用いて励起磁界を発生させ、欠陥による磁束の乱れ成分を差動型磁束検出コイルで検出する方法である。プローブは、平行四辺形平面励磁コイルと欠陥による励磁磁界の乱れを検出する誘導コイルで構成される。それを用いて、平板の模擬非貫通欠陥に関して探傷試験を行った結果、縦、横のスリット欠陥のいずれでも検出できた。また、穴欠陥についても、直径0.5mmの穴まで検出することができた。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
日本応用磁気学会誌, 20, p.633 - 636, 1996/00
傷の方向によらず探傷可能なプローブの開発を目的として、励磁磁界の乱れを誘導コイルで検出する乱れ磁束検出型電流探傷法に基づき、6連の平行四辺形平面コイルで励磁コイルを構成した探傷プローブを用いて、平板の模擬非貫通欠陥に関して探傷試験を行った。その結果、内面欠陥については深さ0.15mmの直径0.5mmの穴まで検出することができた。また、外面欠陥については、縦欠陥、横欠陥のいずれでも穴の場合と同じ深さの欠陥を検出できた。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
電気学会論文誌,A, 115(10), p.999 - 1006, 1995/10
ボビンコイル型渦電流探傷プローブは、円周方向の傷割れに対して検出感度が悪いという欠点があった。そのため、傷によって乱される磁束の乱れ成分のみを効果的に検出する乱れ磁束検出型渦電流探傷法に基づき、励磁コイルの磁界分布を踏まえた探傷プローブの構成を検討した。そして傷の方向性によらず探傷可能なプローブとして磁束検出用差動コイル群と励磁用平行四辺形平面コイルから構成される平行四辺形探傷プローブと提案し試作したプローブを用いて探傷実験を行った。その結果、スリット傷の長手方向がプローブの走査方向に対して縦、横のいずれの場合にも検出が可能であること、また直径0.5mmの貫通穴に対しても有効な探傷能力を有することが確認できた。このことから、本プローブの探傷能力は傷の方向に左右されず、かつ小さい穴傷から大きなスリット傷に至るまで有効であることが分かった。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之
MAG-95-77, 0, p.39 - 46, 1995/06
蒸気発生器伝熱細管の探傷検査に広く使われている細管内挿のボビンコイル型プローブは、円周方向の傷割れに対して検出感度が悪いという欠点があった。そこで著者らは、傷の方向性によらず探傷可能なプローブの開発を目的として、乱れ磁束検出型渦電流法を提案し平行四辺形平面コイルを用いて欠陥による励磁磁界の乱れを誘導コイルで検出する方法の有用性について既に報告した。本報告では6連の平行四辺形平面コイルで励磁コイルを構成した探傷プローブを用いて、平板の模擬非貫通欠陥に関して渦電流探傷試験を行った結果について検討した。その結果、内面欠陥については、深さ0.15mmの直径0.5mmの穴まで検出することができた。また外面欠陥については、深さ0.3mmの直径1mmの穴まで検出が可能であった。スリットについては、縦欠陥、横欠陥のいずれの場合でも穴と同じ深さの欠陥を検出できた。
海老根 典也; 荒 克之; 中島 伸也; 竹内 信次郎*; 原 邦彦*
日本応用磁気学会誌, 19, p.497 - 500, 1995/00
従来の蒸気発生器細管の渦電流探傷に用いられているプローブは欠陥の方向によっては検出感度が悪いという欠点があった。そこで、全方向の欠陥に対して検出が可能な方法として乱れ磁束検出型渦電流探傷法の原理を考案し、そのフィージビリティ実験を行った。本方法は、探傷プローブによって作られる磁界の空間分布の対称性が欠陥によって乱されることに着目し、その乱れによる磁束成分のみを効果的に検出するものである。この原理に基づき、平面コイルを用いた探傷プローブを試作し実験を行なったところ、欠陥とプローブの相対位置により明らかに出力が変化し、欠陥の形状および方向の違いによっても出力が変化した。このことから本方法による欠陥探傷が可能であることがわかった。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之; 中島 伸也
MAG-94-225, 0, 8 Pages, 1994/12
蒸気発生器伝熱細管の探傷において、傷の方向によらないで検出が期待できる方法として、乱れ磁束型渦電流探傷法を提案しており、正方形平面コイルや菱形平面コイルを用いた実験では有効性を確認している。本実験では、その方法をさらに改良し、2連の平行四辺形平面コイルで励磁コイルを形成し,走査方向に直行するコイルの前方部と後方部および隣接する平面コイルの斜め部分に75巻-75巻の差動検出コイルを配置して構成したプローブで探傷を行った。その結果、スリット傷の探傷では、縦、横、斜め方向のいずれも探傷できたことから、本プローブは、傷の方向によらず検出できることがわかった。そして、本プローブを基本素子として多数接続して全体のプローブを構成すれば、乱れ磁束成分をまんべんなく検出することが可能であり、傷に対する不感領域を無くすることが可能である。
秋野 詔夫; 高瀬 和之; 久保 真治; 日野 竜太郎
第26回乱流シンポジウム講演論文集 1994, 0, p.176 - 179, 1994/00
水循環装置に平行平板間流路を取付け、その平板に各種の表面を張り付け、流れ方法の圧力降下を測定し摩擦損失を評価した。同時に、レーザー流速計を用いて、主流流速の測定を行った。その結果、リブレット面、及び、縦リブ付きd形粗面の乱流摩擦抵抗が、約2x10以下のレイノルズ数領域で平滑面より低減していること、及び、同じレイノルズ数領域で流路中心部の乱れ成分(流速変動/平均流速)が減少していることを見いだした。すなわち、平行平板流路内流れの乱流摩擦と主流のに乱れ成分の間に相関があることを見いだした。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之; 中島 伸也
電気学会マグネティックス研究会資料; MAG-94-76, 0, p.9 - 20, 1994/00
SG細管の探傷に用いられている渦流探傷法の課題のひとつに検出精度の欠陥方向依存性があり、この対策として乱れ磁束検出型渦流探傷法が提案されている。そこに用いられている正方形平面コイルは特定領域では小さい欠陥の検出感度が悪いという技術的課題があった。そこで、本報では、磁場分布測定から正方形平面コイルの特定領域での感度低下原因を探るとともに、その解決策として新たに菱形平面コイルを提案し、その磁場分布測定から磁束検出コイルの最適設計条件を探った。その結果、磁束検出コイルは、菱形平面コイルの上部と下部の励磁磁場の強い付近、および菱形平面コイルの中間部に配置すればよいことがわかった。
荒 克之; 海老根 典也; 竹内 信次郎*; 原 邦彦*
MAG-93-96, p.11 - 22, 1993/06
従来の渦電流探傷法では被探傷金属材料中の欠陥や傷による渦電流の乱れを探傷コイルのインピーダンス変化としてとらえる方法が利用されている。このため、別途に比較用コイルが必要となるなどの不便があった。そこで、比較用コイルを不要とする新しい探傷法を開発するため、乱れ磁束検出型渦電流探傷法を考案し、そのフィージビリティ実験を行った。本方法は、探傷プロブによって作られる磁界の空間分布が対称的となり、その対称性が欠陥や傷によって乱されることに着目し、その乱れ成分のみを検出するための磁束センサを探傷プローブ内に内蔵させるものである。この方法の有効性を確認するための基礎実験を試みたところ、0.50.2mmの穴径の変化に対して、磁束センサの出力電圧の変化が確認できた。
湊 章男*; 東稔 達三; 宮 建三*
Int.J.Numer.Methods Eng., 23, p.1201 - 1216, 1986/00
被引用回数:6 パーセンタイル:79.3(Engineering, Multidisciplinary)一様磁場は強磁性体により乱され、さらにその影響により強磁性体が座屈することが知られている。ここでは、その乱れを3次元的に解析するために、境界要素法を用いた解析コードを開発し、同時に2枚以上の強磁性体間に生じる相互作用も考慮した解析を行った。境界要素法の適用及び相互作用を取り扱う事は、核融合炉に特有な渦電流問題を解明する上で非常に役立つものであり、それらの手法の適用は可能である。特に境界要素法を用いることは、複雑な炉内機器の渦電流問題の解析には有効である。
土井 健治
日本金属学会会報, 8(12), p.811 - 819, 1969/00
よく知られているように結晶の原子構造が3次元の完全な周期性を持っているときには,X線の反射はBraggの条件を満足する方向にのみ起こる。すなわち逆空間内で逆格子点上にのみ強度が分布する。結晶構造がなにかの乱れを含む時には3次元の周期性がくずれ,それに対応して逆空間内で逆格子点以外の位置に一般には比較的弱い強度が連続的に分布するようになる。これが散漫散乱である。